こんにちは。

渡辺水華です。

私が英文添削の仕事をしていて感じたのは、
生徒さんたちが比較的複雑な
仮定法過去や仮定法過去完了の用法をマスターされていたことです。

日本語を話しているときには到底、
意識するはずのない文法用語ですので、
この用語を聞いた時点で、

「きちんと覚えておかないと、試験のときに大変な思いをする」
と身構えるためでしょう。

典型的な文例

仮定法過去

(1) If I were a bird, I could fly to you.
もし私が鳥ならば、あなたの元へ飛んでいけるのに。

(2) If I were you, I would not do such a thing.
もし私があなたなら、そんなことはしないだろう。

if節の主語が”I”であったとしても、
be動詞は”were”にするという決まりごとがありますが、
話し言葉では”was”が用いられることもあります。

仮定法過去とは、今現在、そうはなり得ないことを想定し、
「もし、(今現在)~ならば、~であろう」
と言いたいときに用いることができます。

実際には「私」が「鳥」になったり、
違う人間である「あなた」になったりはできませんので、
この用法が成立するわけです。

注1)主節に用いる助動詞は過去形にします。
(1)canではなく、could
(2)will not (won’t)ではなく、would not (wouldn’t)

注2)if節の文章の時制は過去形とします。
if I am a bird→X
if I were a bird→〇

仮定法過去完了

過去の時点で、実際にはそうではなかったことを
そうであったらと想定するときに用いられる用法です。

(1) If I had worked harder, I would have been able to pass the exam.
(あのとき)もっと一生懸命勉強しておけば、試験に合格できていただろう。

実際には、過去のある時点では、
それほど一生懸命勉強していなかったことを物語っています。

ではこの英文を
(2) If I had worked harder, I could have passed the exam.
としてみましょう。
(あのとき)もっと一生懸命勉強しておけば、試験に合格できたのに。

“could”は必ずしも、実際に過去に実現していたことを指すとはかぎりません。

過去に確実にそれができる能力があって、実際にそれができていたであろう場合は、
“be able to”を用いた方が文意が伝わります。

過去にそうなった可能性があった(そうならなかった可能性もある)ことを言う場合は、
“could”を使うとよいでしょう。

注1)主節に用いる助動詞は過去形、時制は過去完了
could, would, shouldなど + have + 過去分詞(”passed”など)
注2)if節は過去完了形とします。
had + 過去分詞

if節のない仮定法の応用

I wish I could.
それができたらいいんだけど。
(実際にはできないけれど、できたらいいと願う。)

友達からランチに誘われて、
何らかの事情があって行けないとき、
いきなり、”No, I can’t.”とぶしつけに言うよりは、

“Thank you. I wish I could, but I have an appointment with my dentist.”
「ありがとう。行きたいんだけど、歯医者の予約が入ってるの。」と言えば、
角が立たないですね。

I should have known that earlier.
もっと早くそのことを知っていればよかった。
([過去のある時点に遡って]もっと早く知っておくべきだったと思うとき)

You must have been tired.
さぞかしお疲れだったことでしょう。
(過去のある時点で、何らかの理由で相手が
確実に疲れていたであろうことが想定できるとき)

We could have done it better.
もっとうまくできたでしょうに。
(過去の時点でもう少し、[私たちの]努力や思慮が足りていれば…
と思うときなどに使えそうです。)

even ifとeven though

“even if”と”even though”は似ていますが、

“even if”は
実際には起きていないことを想定するとき、

“even though”は
実際に起きたことや起きていることを言うときに用います。

(1)Even if I had time and money, I wouldn’t travel abroad.
たとえ時間とお金があっても、海外旅行には行かないよ。
(実際には外国へ行けるだけの時間とお金がない場合)
用法は仮定法過去と同じです。

Even if I had had time and money, I wouldn’t have traveled abroad.
たとえ(過去のある時点で)時間とお金があったとしても、海外旅行には行かなかったよ。
この場合は、仮定法過去完了の用法になります。

(2)Even though I had time and money, I didn’t travel abroad.
時間とお金はあったけど、海外旅行には行かなかったよ。

なお、”Even though”は”Although”に置き換えることもできます。
“Even though”の方が若干、強調のニュアンスが強くなります。