こんにちは。

渡辺水華です。

ある英語のテキストを読んでいて、
ふと氣になることわざがあったので、
少し調べてみました。

腐っても鯛

これを英語に直訳すると、
Even if it’s rotten、it’s still sea bream.

この英語を逆に直訳すると、
「たとえ腐っていても、(依然として)鯛である。」

“even if…”は「たとえ、~でも」です。

“sea bream”は「鯛」ですが、
これには冠詞が付いていませんね。

鯛は魚類ですので、”fish”と同じように
無冠詞で”sea bream”とされています。

“fish”も”deer(鹿)”も条件によっては、
「可算名詞」にも「不可算名詞」にもなる名詞ですが、

「腐っても…」と言っているということは、
鯛を「食用」として見ていることがわかりますので、
ここでは不可算名詞の無冠詞という扱いになります。

(動物を食用の肉として見た場合は不可算名詞となります。
ですので、くれぐれも、無冠詞の単数形で”I like cat.”などと言わないようにしましょう。
猫全体を漠然と指すときは、”cats”、つまり”I like cats.”と言うとよいでしょう。)

英語で説明すると…

「腐っても鯛」の意味を英語で説明すると、
something that is not what it once was but it is still high class
Weblioより引用)

この説明を訳すと、
「かつての姿ではなくなってはいるものの、依然として高級品とされるもの。」
ということになります。

念のため、日本語で詳しく説明すると、
鯛はお祝いの時にいただく貴重な魚で、
腐ったら食べられはしませんが、飾りにはなります。

元々、価値が高いことが認められているので、
傷んでもその価値は変わらないという意味のことわざです。

同義のことわざや言い回し

「腐っても鯛」と同義のことわざを挙げると、

An old eagle is better than a young crow.
(直訳)老いた鷲でも若い烏より優れている。
簡潔に言えば、「若い烏より老いた鷲。」

Quality is quality.
(直訳)質は質。
「質が高いことに変わりはない。」というところでしょうか。

こうしてみると、洋の東西を問わず、
生きている間に人間が学ぶ知恵や
後世に伝えたい情報は似たり寄ったりであって、
表現のしかたが違うだけなのだと思わされます。

英語ではapple、日本語では…?

ところで英語では、
「同じ団体に所属する他の人に悪影響を及ぼす人」、
「他の人に迷惑をかける人」を果物にたとえると、

bad [rotten] apple“です。
(rotten=腐った)

これを和訳するのであれば、

“apple”は絶対に「みかん注)と訳したいよね!

…と強く、強く思う方はとある年代の日本人だけでしょうか。

注)「腐ったみかん」のこと。
1980年のドラマ「3年B組金八先生」をきっかけに
「出来の悪い素行不良の生徒」を象徴する言葉として流行した言葉。
金八先生は、「私たちはみかんを作ってるのではない、人間を作っているのだ!」と力説し、
この言葉が生徒たちへの深い愛情を表す名言となった。