こんにちは。

渡辺水華です。

私が英文添削講師をしていたとき、
「言われてみればそうだけど」と思うような内容ですが、
意外と多かったのが時制の誤りでした。

日本語は、過去形と現在完了形を
意味のうえではおぼろげながら区別はしてるものの
言葉にするときは同じ言い回しになるため、

英訳するときに、過去形と現在完了形を
混同してしまうことがあるようです。

プロの翻訳者の訳文にもこのような誤りがあるので、
英語学習者が間違えてしまうのは無理もないことかもしれません。

典型的な過去形

I went to the zoo three years ago.
私は3年前にその動物園に行きました。

“ago”というのは過去を表す典型的な副詞ですので、
これならほぼ間違えようがないですね。

経験したことを伝えたくて…

ところが日本語では、経験したことを示すために、
「3年前に行ったことがあります。」という言い回しもします。

するとつい、”I have been to the zoo three years ago.”と言いたくなるわけです。
これは用法としては誤りで、上記と同じく、
“I went to the zoo three years ago.”とするのが正解です。

ただ、過去の時点を示す”three years ago”がなければ、
“I have been to the zoo.”と言っても問題ありません。

期間を表す語句があるとき

「私は3年前、先生でした。」
これは明らかに過去形ですので、

“I was a teacher three years ago.”です。

「私は3年前から先生でした。」
これは3年前という過去の時点から現在に至るまでの一定期間、
先生であったことを伝える文章ですので、

“I have been a teacher for three years.”となります。
時間的な長さ(期間)を表す前置詞には”for”を用います。

これが”in (three years)”になると、
「3年後に」という意味になるので注意しましょう。

“I will be a teacher in three years.”は、
「3年後には先生になっています。」という意味です。

また、”When I lived in Tokyo, I worked for a trading company.”のように、
“when”以下が過去の時点を表す副詞節がある場合も過去形にします。

ときどき、「東京に住んでいた頃、商社で働いたことがある。」の意で、
“I have worked for a trading company when I lived in Tokyo.”とされる方もいますので注意しましょう。

過去を示す言い回し、その他いろいろ…

過去の習慣を言うときは、
I used to go to my favorite sushi restaurant quite often when I lived in Tokyo.
(東京に住んでいた頃、お気に入りのお寿司屋に足しげく通ったものです。)のように、”used to”を用いてもいいですね。

“often”を見ると自動的に、「しばしば」と訳す翻訳者が多いですが、
常にこれでは、取ってつけたような言い方になってしまいます。
「~することが多い」、場合によっては上記のように「足しげく」など、
一工夫欲しいところですね。

さらに、「最近」を意味する“recently”は、
現在完了形か過去形の文章に用いる
のが原則です。

There have recently been remarkable advances in science.
(最近、科学の分野でめざましい進歩があった。)

I recently visited the area.
(その地域には最近行ったばかりです。)
このように比較的現在に近い過去のことを言うときにも用います。

Recently, many young people visit this area. →
These days, many young people visit this area. →〇。
(この地域には最近、多くの若い人たちが訪れます。)
原則として現在形の文章には、”recently”を用いません。

ちなみにドイツ語はあたかも現在完了形のような以下の構成によって、
過去形とする用法もあります。

Ich habe nach Boston gegangen.(私はボストンへ行きました。)
habe(原形は”haben”)は英語の”have”、”nach”は”to”、
“gegangen”は過去分詞で英語の”gone”に当たります。

ドイツ語はこの用法になると
語句の並びが日本語に似てきますので、この点も興味深いですね。