こんにちは。

渡辺水華です。

日本に生まれ育った日本人でも、
英語を英語のまま聞いて習得できる年齢、
つまり、「耳」が柔軟な状態でいられる
ギリギリの年齢が10歳前後と言われています。

かろうじて、17歳ぐらいまでは、
それに準じた言語習得能力が残されているようですが、
それ以降は、この能力が低下していくようです。

かわりに、経験によって記憶できる能力が芽生えるのも
この時期と言われています。

私がオーストラリアに滞在していたとき、
日本人とのお付き合いはあったものの、
僅かずつではありますが、
日本語を忘れていくような感覚を覚えたことがあります。

かといって、その分英語力がアップするのかと言えば、
悲しいことに、すでにとっくに成人していましたので、
意識して学ぶ努力をしなければ、上達することはありません。

つまり、何も意識しなければ、
両方とも満足に操作できない状態になると感じました。

そんなことを思っていたとき、
現地で知り合ったオーストラリア人の家に訪問する機会があり、
そこにたまたま、オーストラリア人の男性と国際結婚をされたという
日本人の年配の女性が来ていました。

もう20年近くオーストラリアに住んでいたようですが、
みごとに両言語とも片言だったのです。

その方はたまたま、ご家庭に不幸なことが起きていて、
ストレスと悲しみによる記憶力の低下もあって、
そのような状態になってしまったのかもしれません。

人はストレスを感じると、コルチゾールが大量に分泌され、
脳の「海馬」という短期間の記憶を司る部分も
萎縮してしまうと言われています。

リアルに両言語とも片言になってしまったその女性を見て、
私はかなりショックを受けました。

当時から翻訳には興味があったので、
日本からの通信教育を受けながら翻訳を学んでいました。

それでも、「英日翻訳」というものを意識したとき、
このままでは、「英日翻訳」の能力向上という観点からは
海外在住は不利になると感じていました。

今は日本で翻訳会社に勤務しており、
オーストラリアに在住する翻訳者さんの1人に
恐ろしく翻訳スピードが速い方がいて、
その方も「日英」を中心に活躍しているのですが、
「英日」になると少し精度が落ちるといった感じです。

つまり、原文の英語は理解できても、
それを自然な日本語に訳せているとは言い難い状態です。

しかも、思春期を過ぎてから英語圏に在住しても、
ネイティブとまったく同じように英語を操れるようになるわけではありません。
そのうえ、日本語まで失ってしまったら…

英語圏にいる間はそのことが常に少し氣になっていました。

母国語が日本語である以上、
「英日翻訳」に関しては、日本語のネイティブの方が有利です。
その有利なはずの分野まで、日本を出ている期間が長引くほど、
「不利」になっていくことが悲しく感じられました。

そして、さらに厳しい現実ですが、
「バイリンガル」になることもできない年齢です。

月並みな解決法ではありますが、
両言語とも「学ぶ」ことと「使う」ことを
常に意識しながら向上を図るしかありません。

時々、外国人の方で、日本人以上に日本のことを知っていて、
日本語も堪能な方がテレビ出演していたりしますが、
本当に尊敬します。

今は日本にいるとはいえ、言葉は磨かなければ、
歳を取るたびに感覚が鈍ってきます。
このように情報発信することを通してでも、
精進することを忘れないようにしたいと思います。