こんにちは。

渡辺水華です。

義務教育では、”could”の意味を
“can”の過去形であると真っ先に教えられます。

“can”の過去形と解釈してもよいケース

“could”が”can”の過去形であると定義することは、
もちろん、条件によっては正解です。

たとえば、
“When I was young, I could run faster than now.”
(若い頃は、今より速く走れた。)のように、
“when”以下の時制が過去であれば、
“can”の過去形として”could”が使われていると判断できます。

丁寧なお願いのしかた(”can”との使い分け)

ただ、”Could I have a cup of coffee?”
(コーヒーを1杯いただけますか。)のように、
未来のことであっても”could”が用いられることも多いのです。

“Can I have a cup of coffee?”でもいいですが、
couldの方が丁寧なお願いのしかたになります。

初心者が戸惑う用法がコレ

これは実際に私が騙されてしまった用法なのですが、
遠い昔、アメリカに在住していた頃、
私宛てに1通の手紙が届きました。

それが応募した覚えのない「くじ」の
当選発表に見えるレターで、

“You could win the prize!”
(詳細は忘れましたが、このような言い回しでした。)
の文字に続いて、

これもまた信じがたい桁数のドル(大金)が
あたかも私のもとに舞い込んできたかのように書かれていました。
ご丁寧に証書のような紙にその金額が印刷されていたのです。

“You could win…”ということは、
“can”の過去形だから、「当たった」ということ。

そんな風に解釈した私は、
一瞬、舞い上がりましたが、
“could”には”can”の過去形とは別の用法があることを知り、
描きかけた夢が一気に崩れ去りました。

それは、この「くじ」に応募すれば、
(”can”より少ない確率で)
当たる可能性があることはありますよ~という
「推測」の意味合いだったのです。

仮定法過去

高校生のときに習った「仮定法過去」の典型的な文例に、

“If I were a bird, I could fly to you.”という
かなり非現実的なセンテンスがあります。
(if節の時制は過去形、主節の助動詞は過去形。)
「もし私が鳥ならば、あなたのところへ飛んで行けるのに。」という意味です。

つまり、実際にはあり得ないことが仮に今、あったとすれば、
こうなる可能性がありますよというニュアンスを伝えるときに
用いられる用法が「仮定法過去」です。

ちなみに、”I”に対応するbe動詞の過去形は”was”のはずですが、
仮定法過去のif節は例外で、”were”となります。
ただ、現在では、if節にも”was”が使われることもあります。

可能性の示唆

条件によっては、「あることはある」、「ないこともない」程度の
可能性を示唆するときにも使えるのがこの”could”です。

たとえば、
「今日1日、家にいるんだったら、お皿ぐらい洗えるわよね。」と言いたいとき、
“You will stay home all day today? Then, you could wash the dishes.”
と言うことができます。

実際にはお皿が洗われるかどうかわかりませんが、
洗おうと思えば洗える可能性はあるということです。

仮定法過去完了

これが実際には(過去の時点で)家におらず、
「家にいたなら、お皿を洗うことができたであろう。」と言う場合は、
If I had stayed home, I could have washed the dishes.
という「仮定法過去完了」の用法を用いることになります。
(if節は過去完了[had + 過去分詞]、主節の助動詞は過去形(could)、続いて have + 過去分詞。)

これを言い換えれば、
I could not wash the dishes because I didn’t stay home.
「家にいなかったので、お皿を洗えなかった。」となります。

「実際にできた」ことを伝えたいとき

これを「お皿を洗うことができました。」と言うつもりで
“I could wash the dishes.”と言っても、
文脈によっては伝わりにくい場合があります。
(「実際には洗っていない」と解釈される可能性があります。)

実際に洗ったのであれば、
“I washed the dishes.”と言い切ってしまった方が
誤解を避けることができるでしょう。

また、「~をする能力があった。だから、実際にできた」という事実を伝えたい場合は、
“He was able to speak French.”のように、”be able to (do)”を用いる方法もあります。