こんにちは。

渡辺水華です。

国際的には「日本人は大人しくて消極的」というイメージがありますが、
実際に海外で過ごしてみると、それは表面的な判断や思い込みであって、

日本人の勤勉さや真面目さが、
ある面ではプラス思考に繋がっていることに
氣づかされることがあります。

特に「仕事」や「働くこと」について、
日本人は「労働」そのものを美徳ととらえる傾向があり、

誰かがちょっと辛いことや、
難しいことに「チャレンジする」となると、
それを前向きな努力と捉えるのではないでしょうか。

日本人は「チャレンジ」が好き

たとえば企業の社長の年末年始の挨拶、
スポーツジムのイントラのレッスン中の声かけ、
学校の先生の生徒への励ましなどに

頻繁に登場するのが
「チャレンジ」という言葉です。

特に新たな何かに取り組むとき、
ちょっとやる氣を出して苦手なことに
挑戦してみるときに使われることが多いですね。

先日も企業の社長の挨拶文に
「私たちは常にチャレンジし続け…」という文言を見かけました。
その英訳文として、”We are always challenging…”のような文が上がってきていました。

英語の”challenge”は動詞では、
「挑戦する」、「(試合などを)申し込む」、
「(人に)挑む」(文脈によっては「食ってかかる」)、
「(正当性などを)疑う」、「意義を申し立てる」などを意味します。
ちょっと何かや誰かに「つっかかる」というニュアンスを感じます。

必ずしも日本人が、「ある取り組みに果敢にチャレンジする」と聞いて
感じるような前向きなニュアンスではありません。

これが名詞になりますと、「挑戦」、「(決闘などの)申し込み」、
「異議(申し立て)」、「難題」、「やりがいのある仕事」という意味になります。

最後の「やりがいのある仕事」は、
日本人にも馴染みやすい定義と言えるでしょう。

ただ、一般には必ずしも前向きに取り組めるとは限らない、
「難題」、「困難な課題」などを意味することも多いです。

ちなみに先ほどの「私たちは常にチャレンジし続け…」は、
“We always try something new…”程度にしておいた方が、
伝えたいニュアンスに近くなると思います。

どうしても”challenge”を使いたい場合は、
“tackle a challenge(難題に取り組む)”とすることもできます。

比較的馴染みやすい形容詞、”challenging”

This job is tough but I find it challenging.
この仕事は大変だけど、やりがいがあるよ。

この「やりがいがある」という形容詞に当たるのが
“challenging”です。

このように形容詞になると
日本人が捉えるのと同じニュアンスで使うことができそうですね。

“find it + 形容詞”は、
「それを(形容詞)と感じる、思う」という意味を表す用法です。

名詞として用いられるとき

名詞として用いられている文例を挙げますと、

(1) Praising intelligence makes children shy away from a challenge.
知能を褒めると子供たちは難題を避けるようになる。

たとえば、「お利口さんだね」というような褒め方では、
失敗を恐れる子供になる傾向があるということです。

(2) As tetrapods ventured onto shore, they encountered challenges that no vertebrate had ever faced before…
岸に上がろうとした四肢動物は、
それまでどの脊椎動物も経験したことのない困難にぶつかったはずだ。

地球上の生物の進化の過程で、
魚から四肢動物への進化を語った記事の一部です。

もう一つ、”challenge”ではありませんが、
「難問、困りごと」を意味する熟語に”hot potato”があります。

For teachers like us, this issue is really a hot potato.
われわれのような教師にとっては、
この問題は実に厄介(扱いにくい、いやな問題)だ。

「成長」や「進化」には
乗り越えなければならない難題がつきものですが、
日本人の前向きな「チャレンジ精神」は大切にしたいものですね。