こんにちは。

渡辺水華です。

日本の学校教育では、

“beautiful”は「美しい」、「きれい」、
“pretty”は「きれい」、「かわいい」、
“cute”は「かわいい」などと習うと思います。

baby(赤ちゃん)を褒めるとき

しかし、実際に英語圏へ行ってみると、
知人の赤ちゃんを褒めるとき、

圧倒的に多かった褒め言葉が、
“Oh, she is so beautiful!”でした。

“She is pretty.”と言う人はほとんどいなかったと記憶しています。
次に多かったのが、”She is adorable!”です。
“cute”も”pretty”と同じでそれほど聞かれることはありませんでした。

たまに、
”You are the cutest girl in the world!”
と、わが子を褒めていた人もいましたが。

それぞれの定義とニュアンス

“pretty”は、辞書的には、
「きれいな」、「かわいらしい」、「可憐な」、
「(物・場所など)きれいな、こぎれいな、美しい」を意味し、

a pretty girlは「かわいらしい女の子」、
a pretty houseは「すてきな家」などの使用例があります。

どちらかと言えば、外観や見た目がこぎれいで整っているというニュアンスです。

“cute”は辞書的には、
「(子供・品物など)きれいな、かわいい」のほか、
「セクシーな」、「気のきく」、「生意気な」などの意味もあります。

純粋に見た目がかわいいという意味もありつつ、
端正というよりは、一味加えたクセのあるかわいさという
ニュアンスにもなり得るといった感じでしょうか。

これに対して、”adorable”は、
「魅力的な」、「かわいらしい」、「崇敬(敬慕)に値する」、
「ほれぼれするような」など、
ため息が出るようなかわいらしさを連想させる訳語が並びます。

そして、”beautiful”も辞書で調べてみますと、
「美しい」、「きれいな」、「りっぱな」、
「上流の」、「上品な」、「優雅な」、「みごとな」など、
外見についても内面についても総合的に使える褒め言葉といった印象を受けます。
また、この訳語だけを見ていると、子供を褒めるよりは、
大人の上品さを形容する場合に使われるような感じもします。

「うららかな天気」も”beautiful weather”と言ってしまえるのですから、
本当に幅広く使えますね。

鍵はどれだけ「感動」しているか

話は”baby”への褒め言葉に戻りますが、
最も聞かれることが多かった”beautiful”という言葉が
ネイティブによって発せられるとき、
そこには強い情感が込められていることが多いです。

当然、発音も強めになります。

“adorable”についても同じでした。

つまり、外見が端正であるとか、見た目がかわいいということよりは、

産んだ母親に対する畏敬の念、
生命の神秘への畏怖、
愛情の結晶として尊重するという意味も含めた
褒め言葉を選んでいると言えるかもしれません。

“beautiful”は”pretty”と比較して、
感動がこもった形容詞ですので、
「うわ~、かわいい」の「うわ~」も伝えられる言葉なのでしょう。

“adorable”も、赤ちゃんとしてのかわいらしさと
畏敬の念にも似た感動を同時に伝えられる便利な言い回しですね。

prettyという褒め言葉

意外にも、小さな女の子より、
ある程度成長した女性の
外見的なきれいさを言う場合が多いです。

いわゆる友達のガールフレンドを見て、
「彼女、きれいじゃん。」などと言うときに
“pretty”が使われるのです。

逆にこれを、
“Oh, she is beautiful!”と大げさに褒めてしまうと
「感動」、つまり心を動かされたというニュアンスになるので、
言い方によっては、
「俺の彼女に惚れるなよ」と思われることになる可能性も…

と、ここまでは考えすぎとしても、
“pretty”にとどめておいた方が無難かもしれません。

自称しない「美しさ」は赤ちゃんの特権

余談ですが…

本来は年齢を重ねれば重ねるほど、
上品な美しさが身に付くことが理想ではありますが、
これにはそれなりの心構えと日々の努力が必要で、
誰もがそれを実現できるというわけではありません。

最も簡単なのが自らを「美しい」と自称することですが、
自称すればするほど、美しさが目減りするというのも
皮肉な現象ですね。

ところが、赤ちゃんは、
自らを「美しい」と自称することなく、
beautifulと言ってもらえる存在で、
やはり、「美」に関しては、自称しないのが
周囲から愛でられる秘訣ではなかろうかと思います。