こんにちは。

渡辺水華です。

日本人にとって、
英語の冠詞と前置詞は、
上級の英語学習者でさえ、
選択に迷うことが多く、

プロの翻訳者でも最終的には、
ネイティブにチェックしてもらうことになります。

また、最も修正箇所が多い品詞が
まさに冠詞と前置詞です。

今日は、そんな前置詞や、
冠詞の使い方の例をいくつか挙げて、
ニュアンスを比較してみようと思います。

“at”と”in”

学校

Students enjoy sports activities at school in autumn.
秋になると学校では学生たちがスポーツイベントを楽しみます。

この文章は普通にサラリと読めてしまいますね。

では、以下はどうでしょうか。

(1)She is at school now.
(2)She is at the school now.
(3)She is in school now.
(4)She is in the school now.

(1)「彼女は今、学校にいる。」
“school”が無冠詞の場合、
教育機関としての場を表すものとなり、
主語の”She”は「学生・生徒」ということになります。

“at”は住所の前に付く前置詞でもあり、
所在地を表します。
学校であれば、校庭を含めた敷地内を指します。

また、授業中であるか否かを問わず、
その場にいるときに”at”を用います。

(2)「彼女や今、学校にいる(来ている)。」
“school”に定冠詞の”the”が付く場合、
特定の学校の敷地内を指します。

“She”は学生とはかぎらず、
PTAの用事で学校の敷地内に来ている
親である可能性もあります。

(3)「彼女は今、(学生として)在籍している。」
「今、授業中です。」
“She”は学生を指します。

“in”は授業時間内、
“at”は時間を問わず、学校にいる時間ということになります。

(4)「彼女は今、校舎にいる。」
“school”に定冠詞の”the”が付く場合、
「特定の学校」を意味し、
“in”を取る場合は、学校の建物の中にいるということになります。
この場合、”She”は学生とはかぎりません。

“at”は建物の内外を問わず、その敷地や所在地、
“in”は建物の中、
無冠詞であれば、その建物の機能を指し、
対象となる人は「学生」、
定冠詞が付けば、対象となる人は、
「学生」とはかぎらないということですね。

病院

病院についても同じようなことが言えます。

(1)She is at hospital. → X

通常、このような構成では書かれないようです。

(2)She is at the hospital.

患者として物理的に特定の病院にいることを意味する場合もあれば、
“She”が、お見舞いに来た人、
医療従事者として、その病院にいる人を指す場合もあります。

(3)She is in hospital.
(彼女は入院している。)

“She”は、「入院患者」を意味します。

“hospital”は無冠詞の場合、
病気の治療をする機関としての場を表わします。

(4)she is in the hospital.

アメリカ英語では、
「入院している」という意味になることもありますが、
患者以外の人が特定の病院の建物の中にいると取ることもできます。

(1)I saw him at the station.
駅で彼を見ました。

「その駅のある地点で」という意味で、
駅のホームのほか、
改札を出たところや駅前で見た可能性もあります。

(2)I saw him in the station
駅(の中)で彼を見ました。
“in”をとる場合、「駅構内」となります。

“with”

ある形容詞や動詞について、
他の前置詞を取ると思い込んでいたものに
“with”が付くものもありました。

“popular among”と”popular with”

“popular”には”among”を付すものとばかり思っていました。

(1)The professor is popular with the students.
その教授は学生に人気があります。

“with”は、対象が「人」であるときによく用いられます。

ただし、”This restaurant is popular with young women.”という文例もありました。

(2)The new policy was not popular among the opposition parties.
その新しい方針は、野党には不評だった。

これに対して”among”は、「人」のほか、
「考え」や「方針」についていうときに用いられることが多いようです。

“happen to”と”happen with”

(1)Is he upset? What happened to him?
(What caused him to be upset?)
彼、怒ってるの?原因は何?

彼に何が起きて(何が影響して)、
そうなってしまったのかというニュアンスです。

Is he upset? What happened with him?
(Why is he upset?)
彼、怒ってるの?どうしたの?

どうしてなのか、
理由を聞いているというニュアンスです。

toとfor(誰々に…)

“do to sb”も”do for sb”も
「誰々に~する」という意味ですが、
私がどのような場合にも
“to”を使っていたら、

“to”はあまりよくないことに使われるので、
“for”を使った方がいいと
ネイティブに言われたことがありました。

(1) “to”
I forgive what you have done to me.
あなたが私にしてきたことを許します。

(2) “for”
Thank you for what you have done for me.
あなたがしてくださったことに感謝します。

“break”と前置詞

(1)break in(=使い慣らす)
I need to break in these shoes before I go on a long hike.
長いハイキングに出る前に、この靴を履き慣らしておかないと。

(2)break off(~を解消する)
They’ve decided to break off their engagement.
二人は婚約を解消することにした。

(3)break up(=別れる)
Didn’t you know they just broke up?
二人が別れたばかりなのを知らなかったの?

(4)break with(=~との関係[交わり]を絶つ、
〈慣習・伝統など〉と決別する)

・break with a precedent
先例を破る

・make a clean break with the past
過去ときっぱり縁を切る.

・He broke with all his relatives.
彼はすべての親類と絶交した。

「従来からあった繋がりを断つ」というニュアンスですね。